第19章 東都ビックサイト
椛「そうですか?ありがとうございます。
私がデザインしてるんですよ。」
安室「えっ?
そうでしたか、、、。
椛さんは出来ることが本当に多いですね。
もしよろしければ、僕にも1枚頂けないですか?」
椛「えっ??名刺をですか?」
安室「はい。もし迷惑でなければ。」
椛「いえ、特に問題ないですが、、、。
では、どうぞ?」
名刺ケースから、一枚新たに名刺を出して名刺ケースの上に乗せると、まるで初めましてかのように名刺を差し出した。
椛(なんで今更、名刺なんて欲しがるんだろう、、、??)
安室「ありがとうございます。」
彼もビジネスライクに軽く頭を下げ、両手で差し出した名刺を受け取っていた。
名刺を受け取ると、まじまじと名刺を見つめている。
その表情は心なしか何故か嬉しそうだ。
椛(??
なんか面白い事あったかな?)
椛「安室さん?何かありました?」
彼女が声をかけると、そのまま目が合う。
安室「いえ。名刺ありがとうございます。
では行きましょうか。」
椛「はい?」
結局彼の真意は良く分からないまま、2人は展示会場へ足を踏み入れた。
安室「どちらから周りましょうか?
椛さんの今日の目当てのブースは、どちらなんですか?」
椛「私は、今日醤油関係と、麹蔵関係を攻める予定なのですが、とりあえず一周もしたいのです。
最初2人で軽く一周してから、その後それぞれ目当てのブースに戻る為に、一回別れて別行動するのはどうでしょうか?」
安室「そうですね。
いいと思います。
それで行きましょう♪」
受付時に配布された、案内図を見ながら2人で会場を見て回る。