第18章 丹碧の手鞠
戦国武将トークはそのまま彼女の自宅前に着くまで、止まることは無かった。
椛「あっ、あの建物なのでその角で止めてください。」
話の途中だが、ここで彼女の自宅前に着く。
椛「送っていただき、本当にありがとうございました。
色々お話しできて本当に楽しかったです。」
高明「それはこちらのセリフですよ。
椛さんがまさか歴女とは…
是非、長野にお越しになる際はご連絡下さい。
あまり観光ガイドに載っていない様な、椛さんをお連れしたい史跡が沢山ありますよ。」
椛「おぉ!それはとても嬉しいです!
高明さんが隣にいたら、その都度全部隣で説明して頂けそうですね。
贅沢ガイドツアー♪」
高明「ふふっ。
お任せ頂ければ、精一杯努めさせて頂きますよ。」
椛「ふふふふっ♪」
お互い顔を合わせて笑い合う。
高明「では、今日はこれで失礼します。」
椛「はい、高明さんも長野まで帰り道気をつけてくださいね。
今日は本当に、色々とありがとうございました♪」
高明「いえ、こちらこそ。
ありがとうございます。
では、また。」
発車する高明の車を見送る。
最後に窓越しに手を振る姿が見えた。
椛(まさかまたこうして、ヒロ君の話が出来る人と出会えるとは思わなかったな…。
人生何があるか分からないな本当に。
ご縁って有り難い。
ヒロ君が繋いでくれたのかな…。)
そんな事を思いながら、彼女は自宅に入って行った。