第18章 丹碧の手鞠
素直に流れに乗っていた方が良いのか、会話を逸らすか一瞬悩むが…
高明「椛さんは、あの金髪の彼とは親しいのですか?」
話していた内容に新たな登場人物が加わる。
あの時、金髪の彼と言われる人物は一人しかいない。
椛「知り合ったのはまだ数週間前ですが、、、
先日は縁があって、一緒に長野を訪れたんです。」
高明「そうでしたか。」
高明の表情は全く変わらないため、表情をよく見ていても、彼の質問の真意を読むことは難しい。
椛(彼と高明さんは、学生時代にきっと会ってるんだよね?
あの冬も、ヒロ君はゼロ君と長野に行ってたはずだし、、、
それに、神原夫妻の件で先日長野に訪れた時も、諸伏警部が現れる前までは被害者の傍にいたのに、諸伏警部が現れた途端、彼は後ろに下がってた。
『安室透』としての姿をあまり見られたく無いのかなと、あの時は思ってたけど、、、
今の高明さんの話ぶりから思うに、他にも何か理由があったのだろうか。)
高明「椛さんは今、警察関係者と何か関わりを持っているのですか?」
椛(えっ?)
思いもよらない質問に、思わず反応が出遅れる。
そしてその質問に、彼女が即座に何も反応を返して来なかった事で、逆に納得したのか…
高明「いえ、変な事を聞きましたね。
言えないこともあるでしょう。
お気になさらないでください。
けど、もし何か椛さんが今後困った事があったら、どうぞいつでも連絡してください。
出来る限り力になりますよ。」
その言葉を聞いて彼女は目を見開き、驚きの表情を浮かべる。