第18章 丹碧の手鞠
椛「はい、兄としての立場から見ていたら、どんな弟さんだったんですか?」
高明「そうですね、、、
一緒に暮らしていた時間はそんなに長くはなかったですが、先ほど椛さんも言われていた通り、心の優しい子でしたね。
子供の時から。」
高明の話を聞いていた彼女も心が温かくなり、笑みがこぼれる。
高明「椛さんの事もよく話してましたよ。
電話でですが。」
椛「えっ?私ですか?」
高明「こちらの教室に通い始めたときから。
長休みの度に参加できる事を、楽しみにしていた様でしたよ。
元々、景光は母の横で料理を手伝っていたので、料理は出来る方だったと思いますけどね。
椛さんと出会ってから、更に楽しみ方を知ったのでしょう。
実際どんどん腕も上がってきたと、本人も言ってましたしね。」
椛(ヒロ君、、、。)
高明の話を聞くと、余計に当時の景光との出来事が、脳内を鮮やかに駆け巡る。
椛「そうでしたか。
それは講師冥利に尽きますね♪
ありがとうございます。」
高明「椛さんは、いつから景光と連絡を取って無いのですか?」
椛(そうだよね、やっぱりこの話来るよね、、、)
2人の会話はテンポよく進む。
だが主導権を握っているのは彼。
完全に高明のペースだろう。