第17章 喫茶ポアロの新メニュー
椛「はい、そうです。
ポアロで初めましてをしてから…
ここ一ヶ月ぐらいの間の…
安室さんと一緒に過ごした時間の事を、思い出してたんです。
期間にすると短い様に感じますけど、色々あったなって。
それに思い返すと、改めてやっぱり安室さんって凄い人だなと思って。
安室さんの事、私、尊敬してますよ♪」
満面の笑みで、言葉を発する彼女が安室の目に映る。
その言葉とその笑みを見た安室は、心が酷く満たされる気持ちと同時に、顔に熱が上がってくる事が分かり、思わず口元に手を当てて顔を背ける。
安室(そうなんだよ、この人…
こう言う所は全く隠さないと言うか、素直と言うか…
定期的こう言う事、するんだよな…。
ヒロも彼女のこんな所にやられたのか…?
…そもそも、今の俺を見たらヒロは何て言うだろう。
『ほらぁ〜、
だからゼロには紹介したくなかったんだよ…。』
とか言ってきそうだな…
まぁ、もう大分色々手遅れだが…。)
かたや、黙ってそっぽを向いてしまった彼を、じっと見つめる彼女。
椛(自分から聞いてくるくせに、定期的にこうやって照れちゃう所、人間臭くて可愛いよな〜♪
ヒロ君も、こんな所が放っておけなかったんだろうな〜。
景光『ゼロは何でも一人で出来ちゃうし、負けん気も強くて、男の僕から見てもカッコいいし。
だからこそパッと見は、そう見えないんだけど…
なんかたまに可愛くて、放っておけないんですよね。
本人に言うと絶対キレられるから、言わないけどw』)
景光の言葉を思い出し、思わず口角が上がる。
椛(うんうん、そうだよね、そうだよね♪
分かる、分かる♪)
色々、気持ちの整理がついた彼女は、今までよりも心の余裕を持って、安室と向き合える様になった様だ。