第17章 喫茶ポアロの新メニュー
デザートから視線を彼に移すと、そのまま彼女が座る椅子の隣に立ったまま、こちらを見てニコニコと微笑んでいる。
口パクで
椛(これは?)
と尋ねると、
安室(食べてみてください。)
と答える安室。
とりあえず言われるがまま、真ん中の白いプリン状の物から口にしてみる。
口に含むと、味を吟味しながら何度も頷いてる彼女。
先程、安室が彼女にやっていた様に『こいこい』と彼女も安室に手招きをする。
彼の耳元に手を添えると
椛「甘酒プリン??」コソコソ
安室「おぉ!流石椛さん正解です♪」コソコソ
そう言って満足そうに微笑むと、呼ばれたお客さんの元に行ってしまった。
新しい注文を取り、カウンターの中に戻ってきて作業をする。
安室「椛さん、この後は何か予定はありますか?」
椛「今日は、もうここでお茶終わったら、家に帰って事務作業の続きをしようかなと思ってるぐらいです。」
安室「そうですか。
僕は今日、早番なのでそろそろ上がりなんです。
もし良ければお家までお送りしますので、感想聞かせていただけませんか?」
椛「分かりました。大丈夫です。」
周りに乗っていた美しくカットされたフルーツも満足そうに頂く。
安室「良かった♪」
入店した時は比較的まだ賑わっていたが、引きの時間なのか、安室が上がる頃にはお客さんもまばらになる。
そのタイミングで梓が話しかけてきた。