第17章 喫茶ポアロの新メニュー
注文の品が出来上がったのか、ホールに出ている梓さんに合図をして、注文の品が乗ったトレイを渡す。
カウンター作業が一旦落ち着いたので、再び彼女に声をかけてみる。
安室「椛さん、ちょっとちょっと。」
こちらも周りに聞かせずらい話なのか、安室は手を拱いて、こちらに身を寄せて欲しいと言う仕草をする。
椛「??」
言われるがまま、少しカウンターに身を乗り出し、彼との距離をつめる。
すると安室は、彼女の耳元に手を添えて、内緒話するような仕草で話しかけた。
安室「椛さんに、試食してもらいたい新メニューのデザートがあるんですけど。
みんなには秘密で。
今、お腹の空き具合どうですか?」コソコソ
そう言うと彼女から離れて、元いたカウンターの位置に戻る。
それを聞いた彼女は、両手で丸を作って笑顔と共に安室に合図する。
彼女の反応を見た彼は嬉しそうに
安室「暫しお待ちください♪」
そう言って何かカウンター内で作業し始めた。
暫くすると、カウンターから出てきて、何やらトレイに乗せてこちらに運んできた。
透明なガラスの紋様が美しいバナナサンデーの器に乗ったデザートが、彼女の目の前に置かれる。
美しくカットされた沢山のフルーツと生クリームに彩られたデザート。
パッと見はプリンアラモードの様に見えるが、本来プリンが鎮座する場所には、プリンの形はしているが白い物体が。