第16章 ゼロの銃弾
椛「色々お借りします。」
赤井「あぁ、好きに使ってくれ。」
洗面所までの道を進む。
本当にこの家は広い。
ここに1人で住んでるなんて、なんて羨ましい事だろう。
洗面台には、メイク落としから、化粧水乳液までなんでも揃っていた。
恐らく毎日変装をしてるから、それを落とすために使うのだろう。
椛(普通に女の人が住んでそうな品揃えだな…。
けどまぁ、ここは有り難く使わせていただこう♪)
腫れた目を抑えたくて、あえて水で洗顔する。
顔を洗いさっぱりすると、先ほどまで腫れていた目元も、気持ちスッキリとした気がする。
リビングに戻ると、美味しそうな夕飯が既に並んでいた。
先程言ってた肉じゃがに、お味噌汁、漬物に、炊き立てご飯。
椛「色々、至れり尽せりでありがとうございます。」
深々と御礼を言うと、「ふっ。」と軽く笑って、席に着く様即された。
赤井・椛「「いただきます。」」
一口目に湯気が香るお味噌汁に口をつける。
椛「ほぉ〜♪」
お味噌汁の味に、心が酷く落ち着く。
赤井「味はどうだ?」
椛「とても美味しいです…」
赤井「それは良かった。」
彼女の返答に、赤井は満足そうに微笑んでいた。
穏やかに食事の時間が過ぎて、2人で後片付けをこなす。
椛「秀一?」
赤井「なんだ?」
椛「今日は本当にありがとう。
色々たくさん、本当に。」
赤井「いや、そんな特別な事はしてない。
気にするな。」