第16章 ゼロの銃弾
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
澄み渡る青空と、どこまでも広がる水平線。
足元には薄らと水が張られ、まるで鏡の様に、澄み渡る空をそのまま映している。
空と水平線の中心にいる様な美しい情景の中、彼女は1人裸足で歩いていた。
足元に触れる水の冷たさがとても心地よい。
ふと自身の胸元を見ると、真っ白なワンピース姿が目に入る。
椛(わたし、こんなワンピース、持ってたかな?
それにここは…どこだろう?)
「…椛さん。」
そんな事を疑問に思っていると、後ろからかけられた声に気付き、振り向く。
振り向くと、逆光でとても眩しい。
額の上に手をかざし、目が開きやすい様、目元に影を作る。
目を細めて声の方に目を向けると、少し離れたところに、こちらに向かって歩いてくる人影が4つ。
白いシャツに白のパンツを履いているのか、おそらく体格からしてみて男性だろう。
4人横に並び歩いてくる。
未だ光が眩しい中、椛は目を細めてその様子を伺っている。
少しづつ近づいてくると、中央を先頭で歩く人物の顔を確認出来た。
ずっと会いたいと恋焦がれていた、見覚えのある懐かしい顔。
椛「!?
ヒロ君!!」
彼の名前を呼び、一目散に翔けて行くと、そのまま勢いよく思い切り抱きつく。
そんな彼女を、逞しい体はしっかりと抱き留めて、強く抱きしめる。