• テキストサイズ

ゼロの協力者 【名探偵コナン】

第16章 ゼロの銃弾


椛「大丈夫だから。
聞かせて…。」

赤井「…その時、階段を駆け上がってくる足音がして…
組織からの追手だと思い、逃げ切ることはできないと悟って、自ら引き金を引いたんだ。
自身の左胸を。
その時、左胸のポケットに入っていたスマホもろともな。」

彼女が軽く息を吸う音がしたが、そのままの状態で動かない。

椛「…その階段を上がってきた人は、結局追手だったの?」

赤井「抹殺命令を組織から耳にしたバーボンだ。
急いで駆けつけたのだろう。」

椛「じゃあ、その足音を聞いて引き金を引いたって事…?」

そう言った彼女の声は、僅かに震えているように感じた。

その問いに、赤井は答えない。

暫しの沈黙の後、

赤井「…彼の事は…
今でも、悪かったと思っている…。」

椛「…っっ…。」

彼女の方に目を向けると、目からとめどなく大粒の涙を流していた。

今まで耐えていたものが、一気に溢れて出たのだろう。

赤井はゆっくりとした動作で、ソファの隣に座る彼女を優しく抱きしめた。

抱きしめられた腕の中で、

椛(そういえば、前よりも、タバコの匂いあまりしなくなったな…)

なんて、こんな時でも全然別の事が頭に一瞬浮かぶ。

おそらくあれから彼女が言った通り、匂いに気を使う様になったのだろう。

/ 1094ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp