第15章 郷愁の味覚(テイスト)
景光「僕は…
その時からずっと…
椛さんの事が好きでした。
警察学校に入ってから、会えなかった日々も。
今も、ずっと。
ずっと、ずっと、ずっと…
椛さんの事が本当に大好きです。」
椛「…ん……っ。」
電話越しで、彼女の啜り泣く声が、微かに聞こえる。
自分が泣かせてしまっていると思うと、酷く心が動揺する。
今すぐ彼女の元に飛んでいって、彼女の流す涙を拭って、抱きしめたい…。
けど、それはもう俺には叶わない…。
もう一度、腹を据えて息を吐く。
景光「椛さんとはまた違う形ですけど、
僕も…
この日本を守る為に、
これからは…心血を注ぎます。
椛さんが、
これからも平和に、この国で幸せに暮らせるように…
椛さんの幸せを、心から祈っています。」