第15章 郷愁の味覚(テイスト)
景光「椛さん…。」
椛「ん?なぁに?」
景光「椛さんの言ってる事は正しいし、間違ってないと思います。
僕は、椛さんに比べたらまだ子供かも知れないけど、ひとつだけ僕にも分かることがありますよ。」
椛「?」
景光「そんなダメな男に時間を使うのは勿体無いです。
彼らのフォローも要らないと思います。
そうやって、めちゃくちゃするような人間に、椛さんの大切な力を割かないで下さい。
椛さんはとても素敵な女性です。
ちゃんと椛さんと釣り合う、椛さんの事を大切に思いやれる人と付き合うべきです。
そのために出来る事なら、何でも協力しますから。」
真っ直ぐにこちらを見つめながら紡ぐ彼の言葉。
その姿に思わず彼女も目を見張る。
椛「…そうだよね。
ありがとう。
今度こそは、そーゆー人に引っかからない様に、更に目を見張るね♪」
そう言って穏やかな笑みを浮かべた。
彼女のその様子に、100%納得したわけではないが、過去は変えられないし、起きてしまった事は、それこそ彼女が言うように、対処していくしかない。
景光「引っ越しの日は決まってるんですよね?
彼は大丈夫なんですか?
押しかけてきたりとか…」
椛「それは大丈夫。
向こうシフトで動いてるから、
ちょっと…
シフト調べて、引っ越しの日と、その前後の日、合わせて3日間確実に仕事な日で、引っ越しのスケジュール組んであるから。」
景光「…そーゆー所は流石、抜かりが無いんですねw」
椛「あはは!そうかなw」