第3章 夜のファーストドライブ
自宅の建物前に着き、車を止める。
安室は彼女を見つめ、お互いの目が合う。
椛(暗がりの中でもブルーの瞳って近くで見るとこんなに綺麗なんだな〜)と、会話内容と全然関係ないことを思う。
椛「毛利探偵の一番弟子の方とさっき伺いましたので。
信用しても問題ないと思いましたが…
検討が外れていましたか?」
それを聞いて安室は目を柔らかく細める。
安室「いえ、駅までだとそのあと歩いて自宅まで向かわなければならないですからね。
自宅まで直接送らせて頂いた方が安心ですし、光栄ですよ。
ただし!安易に男性に自宅の場所を教える事はあまり感心出来ません。
これからは十分気を気をつけてください。」
椛「…分かりました。胸に留めておきます。
送って頂き助かりました。
ありがとうございます。」
車を降りようとドアノブに手をかける。
しかし一度手を止め振り向き、再度運転席に座る安室を見る。
椛「もう夜も遅いですから、安室さんも気をつけて帰って。
しっかり休んでください。
おやすみなさい。」
そう言って柔らかく笑顔を向ける。
安室「えぇ、椛さんも。おやすみなさい。」
椛は車を降り、走り出す車を見送る。
安室はハザードを点滅させて見送る彼女に答える。