第15章 郷愁の味覚(テイスト)
〜それから数日後〜
降谷「事故渋滞にハマるとは…
ついてないな〜。」
運転席に座る景光と、助手席で事故渋滞の情報をスマホでチェックしている降谷。
長野に向かう高速道路。
目的地に早めに着けるように朝早く出たが、運悪く高速道路上で事故が起こり、事後渋滞にハマっていた。
景光「まぁ、こればかりはどうしようもないよね。
次の出口で一回降りる?」
降谷「そうだな〜…
今朝は早くて朝ごはんも食べてないから、もうお腹も空いてきたし…
国道沿いのどこかで一回、早めのお昼ご飯食べるか?」
景光「おっ!
ゼロ、今お腹空いてる?
なんか食べたい気分??」
降谷「ははっ!何だよ急にw
まぁ〜、すごい空いてる訳ではないけど、程よくお腹空いてきてるかな?」
降谷の言葉を聞いた景光は、何故か嬉しそうだ。
景光「後部座席にさ、茶色い紙袋あるだろ?
ゼロ取ってくれないか?」
降谷「あぁ。分かったよヒロ。」
後部座席に目をやり、腕を伸ばして、言われた紙袋に手をかけ、前に持ってくる。
降谷「これか?」
そう言って軽く持ち上げ、景光に見えるように向けると、運転しながら横目で景光が確認する。
景光「そうそう!
ゼロ。開けてみて♪」
ワクワクした、少年のような顔をしている景光に、『なんだなんだ?』と降谷も笑顔になる。
紙袋から箱を取り出し、蓋を開ける。
そこには美しい断面が綺麗に並ぶ、サンドウィッチが入っていた。