第15章 郷愁の味覚(テイスト)
椛「あははははは!
そうだよね♪
ぬか床便利だから、あると本当に良いと思います♪
今日はサンドウィッチなので、ここに隠し味を入れます。
本当にヒロ君、今日で良かったよ。」
彼女が手持って来ていたのは、景光も先程まで他の生徒さん達と、皆で仕込んでいた物の完成形。
景光「!!
お味噌ですか?!」
椛「そうです♪
赤でも白でもいいけど、今日はさっぱり頂きたいので、若めの白みそを隠し味に、ちょっとだけここに入れます。
今日、ヒロ君が仕込んだのと同じ種類のお味噌ね!
全体にしっかり行きわたるように、混ぜて下さい♪」
景光「はいっ!!」
どんどんワクワクしてきたのか、景光の楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
椛「次はこれかな。
レタスなんだけど、レタスって中心部分はしっかりシャキシャキしてるんだけど、外側の葉からどうしても、しなるのね。
このレタスの外側の葉を、40度くらいのお湯に一回軽く浸してから、ザルに上げて水気を切ります。
パンに挟んで、口に入れた時もシャキシャキ触感が残るように。」
景光「レタスって確かに、時間が経つとしなしなになりますよね。」
椛「そうなの。
そしたら次、この食パンなんだけど、パンって焼き上がりが一番美味しいのだけど、そこからドンドン時間が経つにつれて、水分が飛んで行ってしまうの。
さっき買ったパンは朝焼いたものだろうけど、もう夕方で数時間が経ってるし、しかも今、冬で乾燥してるから、余計に水分が飛びやすいのよね。
なので、一回蒸します。
蒸し器が無かったら、水を張ったフライパンにクッキングシートをひいて、その上にパンをふんわりと乗せて、蒸してあげて下さい。」