第15章 郷愁の味覚（テイスト）

彼女からハケを渡され、薄く塗る様に言われる。

言われた通り、ごま油を薄く塗っていると、また冷蔵庫から何か取り出して戻って来た。

景光「それは何ですか？」

椛「今日は午前中、ぬか床の講座だったんだけど、こちらもその時試食で出してた『卵のぬか漬け」です♪」

景光「卵のぬか漬け？？
卵を漬物にしたみたいな感じ何ですか？？」

椛「そうそう。
では次こちらの卵をボールに入れて、スプーンで形が無くなるまで潰してください♪」

次のボールを受け取り、言われた通りに形が無くなるように潰していく。

すると上から調味料を入れていくのか、彼女は何やら調味料の準備を始めた。

そして景光が潰しているボールの上から、彼女はご機嫌そうに調味料を入れていく。

椛「米油ほんの少しと、米酢少し。
塩麹に〜。
あらびきのブラックペッパーと、粒マスタードを少々入れます♪」

景光「謎がいっぱいですねｗ
これは何になるんですか？？」

椛「ふふふ。
ちょっと味見で舐めてみて。」

言われるがまま、スプーンに少量取り、口に運ぶと、、、

景光「！！！
美味しいっ！！
なんですかこれは！？
マヨネーズよりもマヨネーズみたいな…
とにかく旨味凄い！
濃い！」

椛「あははははは！
舌に合って良かった。
市販のマヨネーズ卒業しちゃったから、うちではいつも『卵のぬか漬け』に調味料を入れて代用してるの。

ぬか床は流石に持ってないよね？
ぬか床無い人は、これ『マヨネーズ的ポジション』なので、普通のマヨネーズで代用してください♪」

景光「僕もぬか床、欲しくなってきました、、、」