第15章 郷愁の味覚(テイスト)
景光「野菜はなんでもいいのですね!
そしたらセロリはどうですか?」
椛「セロリ??
いいと思うけど、サンドウィッチに珍しいね。
ヒロ君はセロリが好きなの?」
景光「僕も好きですけど、ゼロが。」
椛「ゼロ??」
景光「その友達のあだ名です。
ゼロって呼んでるんです。」
椛「そうなんだ。
お友達のゼロ君はセロリが好きなのね。
そしたらセロリも入れよう♪」
必要な野菜を購入して、寒空の中、教室がある建物まで戻って来た。
教室に入ると、付けっ放しだったエアコンが部屋の温かみをキープしてくれていた。
コートを脱ぎ、ハンガーにかける。
買ってきた材料を机に広げて、先程外したエプロンを再び2人ともつける。
椛「よし!
そしたら作ってみましょう!」
景光「はい!よろしくお願いします!」
椛「こちらこそよろしくお願いします♪
そしたらまず下処理関係をします!」
冷蔵庫から何やら取り出して、彼の共へ戻ってくる。
椛「まずはこれ!」
そう言って景光に何か手渡す。
彼はそのまま素直に受けとると、ボウルの中身を覗き込んでいる。
景光「これは、、、何ですか?」
椛「これは、今日の午前中の講座で出していた試食の余りなんだけど、鶏むね肉に各種ハーブと、本みりんと塩こうじで24時間ぐらい付けてから、蒸したものだよ。
一般流通の既製品で言うと、『ハム的なポジション』だよ。
これにごま油を少し塗ります~♪
今日は『うちの鶏ハム』使うからごま油を使うけど、市販の普通のハムを使うときは、『なるべく脂身が無いハム』を選んで、その時はごま油ではなく、オリーブオイルを塗って下さい。
という事ではいっ。
塗って下さい♪」