第15章 郷愁の味覚(テイスト)
椛「ヒロ君、聞いてくれたタイミング、今日の講座のタイミングで大正解だよ♪
この後は時間ある?」
景光「えっ?
はい、僕はこの後、特に何も無いですけど。」
椛「じゃあ今から作ってみよう!
パンと野菜は無いから、買い出しに行こう!
ここから歩いて5分ぐらいの所に、行きつけの良いパン屋さんがあるんだ!」
財布と手提げ袋を手に取り、ハンガーにかけていたコートを羽織り、直ぐにでも出れる体制を整える。
景光「えっ!?
それは流石に悪いですよ!
講座の時間も過ぎてるんだし!」
椛「今日のメンバー作業早くて、予定より早く終わったから、私も時間は大丈夫だよ。」
景光「そしたらサンドウィッチ講座の講座代、支払います!」
椛「ははははっ!
サンドウィッチの講座はうちではやってないよw」
景光「では別で請求してください!」
椛「そんな、学生さんから急に取れないよw
素敵な男の友情話聞かせてくれたから、そのお礼。」
景光(んん??男の友情話??)
頭の上にクエッションマークが飛ぶが…
景光「いやいやいやいや、それはダメです!
椛先生は『先生』なんですから!
人件費もかかってるんだから!
ちゃんと授業料支払います!」
本日の講座が終わった為、既にオフモードの緩い椛先生と、一切引こうとしない頑なな景光。
このままだと、一向に平行線をたどる事は目に見えている。
先に引いたのは大人の彼女の方。