第14章 長野のコウメイ警部
安室は少し離れた位置に車を止めると、車を降り、急いで運転手を助けに、クラッシュしたトラックに向かう。
後を追う様に、彼女も安室の後ろを追いかける。
右側面の運転席側を下にして横に倒れたトラックからは、この位置からだと出血もとは確認できないが、どこからか血を流し、引き続き気を失っている運転手の姿が見える。
安室は急いで、トラックによじ登り、助手席側のドアを開けると中に入り、運転手のシートベルトを外す。
外からその様子を見ていた彼女は、ふと異変に気づき、倒れた車体の後方に目を向けた。
椛「安室さん!!ガソリン漏れてる!!」
安室「チッ…」
彼女もトラックによじ登り、気を失っている運転手を先に、運転席から救出する為、安室が運転手を担ぎ上げ、彼女が上から急いで引っ張り上げる。
運転手をトラックの上に上げ終わると、安室も中からすぐに出てくる。
そのまま運転手を2人でトラックから降ろし、安室は運転手を背中に背負う。
安室「ここから直ぐに離れるぞ!!」
その掛け声と共に、自分たちの乗っていたRX-7まで一気に走る。
自分たちの車体の後ろに隠れて、背負っていた運転手を地面に下ろした瞬間、ガソリンに引火したのか、大きな音と共にトラックのエンジンが爆発した。
椛(危機一髪!危っぶな…。)
運転手の様子を確認すると、あちこちの打撲と、両腕と右足は割れた窓ガラスの破片が当たっていたのか、切れて出血していた。
安室がスマホで事故の状況を通報している間に、彼女は出血が酷い右足から、止血と応急処置をしていく。