第14章 長野のコウメイ警部
安室「??
どうかしましたか、椛さん?」
椛「いやぁ〜、浴衣姿の安室さん、なんか色気ダダ漏れ凄いな〜と思って…。
それにやっぱり、和服!
似合いますね!」
思ってた事を素直に口に出す彼女。
かたや、彼はまさかそんなことを言われるとは思って居なかったのか、少し恥ずかしそうな表情を一瞬見せた後、彼女が居るのとは反対の方向に、顔を逸らした。
暗くてよく分からないが、若干頬と耳が赤い気がする。
安室「それを言うなら、そっちだろ…」ボソっ
椛「えっ??何ですか?
聞き取れませんでした…。」
小さく呟いた安室の声は、彼女には届かなかった様だ。
そっぽを向いたまま何も言わなくなってしまったので、申し訳ない気持ちになる。
椛「私、変なこと言いましたかね?
すみません。
けど、似合ってるって思ったのは本当ですよ!」
安室(返答を返さない事で不安にさせてしまったな…
それより…
お風呂上がりの浴衣姿とか…
ヤバいだろ…。
人に『色気ダダ漏れ凄いな〜』とか言ってる場合じゃないから…。
この人、普段しっかりしてるくせに…
たまに凄い無防備すぎるんだよ…。)
どうやら彼は彼で、何かと戦っていた様だ。
椛「安室さん??」
安室「いえ、何でもありません、ちょっと考え事をしてました。」
椛「そうですか?
なら良いのですが。」
そう言って、再び前を見て歩き出した彼女を横目で盗み見る。