第14章 長野のコウメイ警部
彼女の様子を見る限り、『寝耳に水』と言った所だろう。
酷く動揺している。
そんな彼女には悪いと思ったが、高明は手に持っていた被害者のスマホの写真のアイコンを押して、彼女に手渡した。
アルバムの中には、まるで恋人同士に見える女性との写真の数々。
意外と几帳面な性格だったのか、
女性の名前でそれぞれアルバムはフォルダ分けしてあり、その女性の名前のフォルダは軽く10以上あった。
写真の中には、中々際どい物まで含まれていた。
葵「そんな…」
悲しみと怒りに震えながら涙を流し、スマホを見ている葵。
葵「えっ…ちょっと待って…
これ…沙羅?」
そのアルバムの中には、今隣にいる沙羅の名前もある。
開くと、仲睦まじく映る大量の写真が出てくる…。
匠「えっ?ちょっと俺にも見せろ!」
葵が見ていたスマホを奪い取り、匠も中にある写真を確認した。
どんなふうに見ても、その写真の様子は『友達』とは言えない物だった。
葵「…沙羅…
これはどうゆう…」
沙羅「正弘が全部悪いのよ!
他の女とは全員縁を切って、私と結婚するって言ってたのに!!
いつまで経っても、ダラダラダラダラしてるから!!」
匠「沙羅…お前…。」
沙羅「本命扱いしてるのは表向き、葵だって事は分かってた。
それだけだと思ったのに…
先日、他にも何人もの女がいる事が分かったのよ!!
『なんか葵以外の女の匂いがする』と思って、正弘がお風呂に入ってる隙に携帯を盗み見たら…
他の女もゴロゴロゴロゴロ出てきた!!
私のものにならないんだったら、いっそ殺してやろうと思って…
今日は正弘が持ってきてたカットナイフもあったし、ちょうど良いと思ってね!
忘れ物を取りに行く振りをして、待ち伏せしてたのよ。
正弘、ご飯食べたあと、絶対タバコ吸いに行くから、そのスキを狙おうと思ってね!」