第14章 長野のコウメイ警部
高明「被害者の胸に刺さっていた凶器からは、3人の指紋が検出された様ですが、説明頂けますか?」
匠「それ、夕飯前に部屋で、ケーキカットするために使った包丁だから、そりゃそうだよ。」
高明「ケーキですか?」
葵「今日、私の誕生日だったんです。
なので私には秘密で、ホールケーキを3人が用意してくれて。
カットして、取り分けて、と皆でやってたので、皆触ってると思います。」
高明「そうでしたか。これはどなたか持ってきた物ですか?
ホテルの物では無い様ですが。」
沙羅「正弘くんが持ってきてくれた物です。
3人で事前にケーキについてメールでやり取りしている時に、『キャンプの時に使ってる、持ち運び用のカットナイフがあるから、俺持ってくよ!』と言ってくれて。」
高明「なるほど。」
鑑識「諸伏警部!ちょっと…」
高明「少し失礼します。」
捜査をしている警察官に呼ばれて、鑑識官の方に向かい何か話をしている。
しばらくすると、3人の元に戻ってきた。
手には先ほどまで持っていなかった、スマホを持っている。
高明「葵さん、先程、こちらの被害者、正弘さんとお付き合いされてると伺いましたが…
もうお付き合いされて長いのですか?」
葵「えっ??
はい、もうすぐです5年程になりますけど…。」
高明「失礼ですが、被害者のスマホを少し調べさせていただきました。
彼は随分と女性関係が…
派手だった様ですが、揉めたりはしなかったのですか?」
葵「えっ!?!?
そんな…知らないです。
一度も彼そんな…
どーゆーことですか?
そもそも私たち、今年結婚する予定で…
浮気ですか…??」