第14章 長野のコウメイ警部
安室(えっ!?!?)
諸伏警部の姿を確認してから、野次馬の中に隠れるように一度後ろに下がっていた安室だったが、2人の会話が耳に届き、そのまま耳を傾ける。
彼女は差し出された名刺を受け取り、マジマジと見ていた。
椛「諸伏…
諸伏景光さんのお兄様ですか?」
高明「そうです。
覚えて頂いていたのですね…
その節は弟がお世話になりました。
まさかこんな形で『椛先生』とお会いする事になるとは…。」
椛「そうですね…。
こちらこそ、お兄様にお会い出来て光栄です。
警察官の兄がいるとは、耳にはしてました。
自慢の兄だと。」
高明「そうでしたか…。」
警察官「諸伏警部!」
捜査中の他の警察官に呼ばれて、何か小声で話をしている。
高明「すみません、少し失礼します。
もし良ければまた後ほど。」
高明の言葉に彼女は軽く頷くと、彼も彼女同様軽く頷く。
そして高明は、現場の部屋の中に入っていった。
2人やり取りの様子を、すぐ隣で見ていたコナンは
コナン「諸伏警部の弟さん、椛さんの生徒さんだったの?」
椛「うん、そうみたいだね。」
コナン「随分前って言ってたけど…。」
椛「うん、そうね、結構前。」
コナンと話す彼女の表情は先程からいつもと変わらず、その真意は読めない。
ここで被害者の友人達が、警察官とホテルの従業員に連れられて現場にやってきた。
そのまま部屋の入り口で、友人の変わり果てた姿を確認する。