第14章 長野のコウメイ警部
安室「そんなにこちらは、特別な鍵では無いようですね。
鍵穴をいじれば、すぐに開きそうですが、開けてもよろしいですか?」
康彦「えぇ、お願いします。」
安室「分かりました。
椛さん、もし良ければ頭に刺さっているヘアピンを〜…」
途中まで言って言葉が止まる。
安室が彼女の方へ顔を向けると、既に自身の頭からヘアピンを1本抜き、鍵穴に刺しやすい様に、変形させた状態で、手に持っていた。
そしてそのまま安室に差し出す。
椛「どうぞ。」
安室「ははっ!
ありがとうございます。」
その様子をすぐ隣で見ていた博士は
博士「まるで手術の執刀医と、助手みたいじゃなw」
そう言って笑っている。
更にその博士の隣に立っていた灰原は、3人の様子に静かに視線を向けていた。
ヘアピンを受け取ると、安室は鍵穴に差し込む。
ものの5秒ほどで「カチャリ」と言う音と共に上蓋が浮く。
歩美「空いた!!」
元太「中身はなんだ!?」
光彦「安室さん!中には何が入ってるんですか!?」
『待ちきれない』とでも言う様に、続け様に質問を投げかけてくる子供達。
安室「どうやらこれはオルゴールの様ですね。」
蓋を開けた箱を康彦と藍子に差し出した。
康彦はその箱を受け取ると、中にあるT字の巻ネジを巻いていく。
際まで巻き終わり、手を離すと美しいオルゴールのメロディが流れてきた。
その場にいる皆、その音色に耳を澄ます。