第14章 長野のコウメイ警部
そのまま大きな渋滞も無いまま、順調に目的の場所まで向かう博士のビートル。
到着すると、事前に言われていた通り、ホテルの方の駐車場に車を止めて荷物を下ろす。
そのまま、同じ敷地内にある、神原夫妻の別荘に歩いて向かった。
オシャレな洋館の様な作りで、かなり大きな建物だが、デザイン自体は先日足を運んだ神原夫妻の自宅と何処となく、似ていた。
玄関扉のインターフォンを鳴らすと、康彦の返事が聞こえる。
暫くして、鍵が外れる音と共に玄関ドアが開かれた。
安室「やぁ君たち。待っていたよ!」
歩美・光彦「「安室さん!!」」
元太「探偵の兄ちゃん!
もう来てたのか!」
つい先日同様、玄関扉を開けて出迎えたのは家主ではなく、安室。
その姿を見て子供達は声を上げた。
安室「小一時間程前にね。
さぁ、中へどうぞ。」
扉を大きく開けて、皆を招き入れる。
全員がエントランスに入った事を確認すると、
安室「こっちだよ。」
そう言って皆を誘導した。
高い天井には大きなシャンデリアが輝き、吹き抜けの広いエントランスには、左右に広がる2階への階段が綺麗に曲線を描いている。
エントランスを抜けて扉を開けると、そこは大きく石造りが立派な暖炉と、20人は裕に座れそうな長ダイニングテーブルが置かれた、広いリビングが広がっていた。
奥の席には康彦が穏やかな笑みを浮かべて、こちらに視線を送っていた。
既にお茶をしていたのか、ダイニングテーブルにはティーセットが4組並んで置いてある。