第12章 大人の女子会
ジョディ「彼の事が好きって所よ!」
椛「あぁ〜
…そこは正直まだよく分からない。」
ジョディ「えぇっ!?そうなの?」
椛「もちろん嫌いとかは無いけど…
そもそも、私なんかが恋愛出来る様な立場の相手じゃ無いし…」
ジョディ「えっ??どーゆー事??」
椛「取り敢えず!!
いいのいいの!!
それに私、恋愛は得意では無いのよ!!」
ジョディ「へぇ〜。
こんなにいい女なのに勿体無い〜♪
周りの男共は見る目が無いのね!」
椛「あははっ!
ジョディがそう言ってくれれば、それだけで嬉しいわ♪
それより、さっき選んでたチーズはどうなったの??」
ジョディ「あっ!!そうよね!!
事情聴取が落ち着いたらレジ動かしてくれるって言ってたから!!
私、お会計して来るわっ!!
せっかくここまで買いに来たのに、買えなかったらショックが大き過ぎるわぁ!
すぐ終わらせてくるから!
ちょっと待ってて!」
お店に駆け足で戻って行くジョディを、微笑ましく見守る。
周囲にはまだパトカーが数台残っていて、事件の余韻を感じる。
椛(まぁ、ジョディが言うように、正直見てて気分の良いものではなかったけど…
彼は当然の事をしているだけで…
私も、もしも彼の立場だったらそうするだろうし…。)
梓が先程まで座っていた、花壇のブロックに目を向ける。
そのまま、お店の方に視線を移すと、店内で会計をしているジョディの姿が、遠目に見える。
どうやら、お目当てのチーズ類は無事ゲット出来そうだ。
椛(私が、『彼』に好意を抱き始めてしまってると知ったら…
あの人はどう思うかな…
喜んでくれるのだろうか…)
まだ、明るさの残る空を一度見上げて、そしてそのまま静かに目を閉じる。
『これからも平和に、この国で幸せに暮らせるように…
椛さんの幸せを、心から祈っています。』
懐かしい言葉と、懐かしい姿が脳裏に蘇る。
椛(私はあの言葉に恥じぬ様、
ちゃんと生きてこれてるかな…。)
一抹の思いを胸に。
今日もそうして時を重ねて行く。