第12章 大人の女子会
一方こちらは、梓を送り終わった安室の車の車内。
コールをかけると、いつもの様に1コール程で相手が出る。
風見「はい。」
降谷「俺だ。
例の彼女、以前調べた時、FBIと何か関連がある様な事象はなかったか?」
風見「FBIですか?
その様な感じは見受けられなかったですが…
今一度確認します。」
降谷「あぁ、頼む。」
電話先で、微かにパソコンをカタカタといじる音が聞こえる。
風見「そうですね…
現在も過去も、FBIに所属していた様な形跡はないですね…。
渡航履歴を見ても…
アメリカ本土に渡った事も無いようですが…。」
降谷「そうか…。」
風見「何かあったのですか?」
降谷「今日、彼女はFBI捜査官と2人でいた。
随分と仲も良さそうだったので、気になってな…。」
風見「そうですか。
こちらも念のため、もう一度探ってみます。」
降谷「あぁ、頼む。」
ガチャリ
降谷(俺が以前調べた時も、海外の工作員だという影は、なかった。
単に本当に仲が良いだけなのか…?
それにしても…
FBIか…)
FBI自体にあまり良い印象は無いのか、彼は眉間に皺を寄せる。
降谷「アイツも…
そう易々と死ぬとはやはり思えんがな…」
誰の事を思い出しているか…
彼の呟きは、黄昏に染まる街並みに消えていった。