第12章 大人の女子会
安室「椛さん!!」
彼女は足を踏み出す最初の一瞬、安室の方に僅かに振り返り目配せをしたあと、口を微かに動かした。
安室は、彼女の目配せと真意を読み取り、彼女の口を読む。
安室( 「な」、「げ」、「る」、「よ」…
はっ??)
口を読んだは良いが、安室は彼女が発した言葉に、怪訝な顔をしていた。
彼女は男の前まで来て、向き合うと
男1「背を向けろ。」
と指示される。
言われた通り回れ右をし、男に背を向ける。
男はナイフを持った方の手で彼女を拘束しようと、腕を前に回そうとした瞬間…
彼女は軽く首を下げてから、自身の後頭部で男の鼻頭を思い切り打ちつける。
男1「ぐふっ!!!!」
あたりの痛みによろめく男。
そのまま即座に、ナイフを持っていた方の手を捻り上げると、男の手が緩み、男は握力を保っていられず、ナイフを床に落とした。
すかさず床に落ちたナイフを蹴り、安室達の方へナイフを滑らせる。
男の腕をギリギリまで捻り上げたあと、瞬間で手を持ち替えて、小さく掛け声をかけた。
椛「せ〜のっ!」
掛け声と共に、放物線を描くように宙を舞う男の身体。
綺麗に背負い投げが決まった。
あまりに一瞬の事で、男は何が起きているか理解出来ていない様で、
投げ飛ばされた仰向けの状態で、目をパチクリしている。