第11章 追憶のカラクリ箱
『ほっておいて』と言われても、気になってしまうのは人のサガ。
特に少年探偵の3人は、気になって気になって仕方が無いのだろう。
話すフリをしながら、ずっと2人の様子を遠目で覗き見している。
当の2人は、カラクリ箱に完全に集中して、何かぶつぶつ小声で会話をしながら、2人の世界に完全に入ってしまってる。
2人の世界と言っても所謂甘い物では無く、完全にそこだけ異様な雰囲気を発していた。
先程まで、まだ楽しんでいたすき焼き鍋が、テーブルの上に置きっぱなしだが、全く2人の背景に馴染んでいない。
15分ほど経つと、一際大きな「カシャン」と言う音と共に、開いた拍子で中の物が机の上に落ち、何か金属製の物が落ちる音がした。
その音に、別の方向を向いていた人物も一斉に2人の方に視線を向けた。
椛「…開きました。」
そう言って、完全にカラクリが解けた箱と、中に入っていた物を手に取り、皆に見える様に顔の前に上げる。
元太・光彦・歩美「「「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」
藍子「わぁ!!」
康彦「ほぅ。」
コナン「マジか…」
哀「へぇ。中々やるわね。」
その様子に一斉に歓声があがる。
歩美「椛お姉さんすごーーい!!!!
見せて見せて!!」
光彦「僕も見たいです!!」
元太「何が出てきたんだ!?」
皆んな一斉に彼女の手に乗る、その出てきた中身を覗き見る。