第11章 追憶のカラクリ箱
カタカタとカラクリ箱をいじると、数箇所パーツがズレる。
暫くそのままいじってると、先程まで子供達がいじっていた、更にその先まで進んでるように見えた。
歩美「おぉ!いい感じ!!」
光彦「安室さん流石です!!」
元太「よしっ!!いけいけー!!」
先には進んでいるが、その先苦戦しているようで中々進まない。
安室「これは中々…
少々時間がかかりそうですね…。」
その彼の手元の様子を、隣でずっと覗き込んでいた椛。
ふと、立ち上がり、部屋の隅に置いていた自身の鞄から紙とペンを取り出し、それを持って席に戻ってきた。
椛「安室さん、それ、変わってもらえませんか?」
安室「??
えぇ、もちろん良いですよ。」
途中まで外していたパーツを元に戻して、彼女に手渡す。
すると代わりに、今しがた彼女が取り出した、紙とペンを手渡された。
椛「恐らく、仕掛け数は18以上はありますね。
手が小さい方がやりやすいと思うので、私が外します。
安室さん、メモお願いします。」
安室「おぉ!!
本気モードですねw
良いですね!
分かりました♪」
彼女の言葉にワクワクしているのか、まるで何か、宝箱を探す時の少年のような表情を見せる安室。
椛「ちょっと時間かかると思うので…。
集中したいので、暫く私達のことは、ほっておいてください♪」
そう言って、周りの皆に微笑み声をかけてから、カラクリ箱をいじり始めた。