第11章 追憶のカラクリ箱
老婦:藍子「あら〜♪
今日はお洋服なのね!
安室さん、椛さん、いらっしゃい。
ようこそお越しくださいました♪」
安室「こちらこそ、お招き頂きありがとうございます。」
椛「こちらこそありがとうございます♪
藍子さん。」
軽く挨拶を済ませると、彼女は持ってきた手土産を藍子に手渡した。
椛「こちら良ければどうぞ。」
藍子「あらぁ〜!
そんな気を使って頂かなくても良かったのに…。
ありがとうね。
有り難く頂くわ。
中は何かしら♪」
椛「『米粉と発酵餡子の栗どら焼き』です。
お口に合うと良いのですが。」
藍子「えっ??
椛さんが作ってくださったの?」
耳慣れない言葉の羅列を聞いて、紙袋の中身を覗き込む藍子。
安室「彼女は、発酵食品専門の料理教室の先生なんですよ。」
横から安室が説明を補足した。
藍子「あらぁ〜!!
そうだったのね!!
ちょっと頂いた目の前で申し訳ないけど、開けて見ても良いかしら?」
椛「えぇ、もちろんどうぞ。」
紙袋から箱を取り出してあけると、個包装になっているどら焼きが出てくる。
一つ取り出してまじまじと見ている藍子。
藍子「どら焼きって自分で作れるのね!
自分で作ろうと思ったことすら、今まで無かったわw
主人も私も栗もどら焼きも大好きなのよ♪
ありがとう!!嬉しいわ!!」
どうやら喜んでくれた様だ。