第2章 初めてのディナータイム
安室「失礼しま〜す。どうもお待たせしました。
ケーキ、詰めてきたのですが冷蔵庫に入れるスペースあれば食べるまで入れさせて頂けませんか?」
ケーキの箱を両手に抱えて安室がキッチンにやってきた。
蘭「安室さん!こんなにたくさん!ありがとうございます♪
えぇ、もちろんどうぞ。」
そう言って冷蔵庫を開け、ケーキの箱を受け取り作ったスペースに納める。
安室「今日の夕飯のメニューは餃子ですか?良いですね♪」
キッチンの様子を見て嬉しそうに笑っている。
どうやら安室は餃子が好きらしい。
蘭「えぇ、そうなんです!!
椛さんがサクサク作って下さるから、あっという間に仕上がりそうです♪」
安室「椛さん??」
蘭「いまさっきお互い自己紹介したんです。」
蘭と椛は目を合わせて「「ねぇ〜っ♪」」と言って微笑み合っている。
今し方知り合ったとは思えない程、既に親密に見える姿に安室は少し拍子抜けする。
そのまま椛は安室の方を向く。
椛「先程は本当にありがとうございました。名乗るのが遅くなってしまい申し訳ございません。
結城 椛と申します。」
手を止め安室に向き合うが、餃子を包んでいるため粉がついた手は空中に上げたまま、軽く首を下げて挨拶をする。
安室「僕は安室透です。
先ほどはあんな状況でしたからね。
こちらこそご挨拶が遅れました。
よろしくお願いします。」
安室も軽く頭を下げる。
顔を上げるとお互いの目が合う。
椛(随分と真っ直ぐな青い目をしている人だな〜)と思わず見惚れる。
自分の黒い瞳との色の違いに、(青芝効果か?)と、羨ましさを感じてしまうのは人としてのサガか…。
安室(先程も思ったが随分とやはり…
物怖じしない真っ直ぐな目をしている人だな…)