第10章 小さな探偵さん
椛「と、その前に、秀一はコナン君の正体知ってるのよね?
秀一の正体を、コナン君が知ってるのと同じように。」
赤井はその言葉に、本来のグリーンアイを覗かせると小さく頷き
赤井「あぁ。」
と短く返事をした。
椛「私も身体10歳若返られるなら、若返りたいんだけど…
その方法って、私も試す事出来るの??
高校生探偵の『工藤新一』君?」
その言葉に大きく目を見開き、口を開けたまま、彼女を見て固まるコナン。
かたや、大きく長くため息をつき、額に片手を当て、呆れ返っている赤井の姿。
赤井「おい…
聞くにしても、もっとマシな言い回しがあっただろう…
はぁ…。」
椛「??
私、何か変な事言った??」
彼女は至って真面目な様子だ。
赤井「そもそも、なんで椛は若返りたいんだ?
人智に反してるだろ、そんな事…」
椛「それはだって…
10歳若かったら肌艶、全然違うよ!!
秀一だって、10年前はもっとピチピチだったでしょ!?」
赤井「…今だって、俺はまだまだイケてるつもりだが…。」
椛「はいはいはい。
そーですね。
イケてるイケてる。
大人ダンディ〜♪」
赤井「…君は、俺のことをからかうのが好きだな。」
椛「そんな事ないよ!!
それだけ、自分の見た目に、自信がある事が羨ましいよ!!
けど10年前だと、肌もカミソリ負けしてなくて、もっと綺麗だったんじゃないの?
10年って皮膚年齢大きいよ!!」
赤井「カミソリ負け…
まぁ〜…
確かにそう言われてみれば…」
そう言って、自身の顎頬周りを触り、感触を確かめている。
幼児化している事を、なんて事も無いような雰囲気で、会話がどんどん進む二人を眺めているコナン。