第10章 小さな探偵さん
毛利家の皆に初めて会ったあの日。
ポアロの事件の後、ご馳走になった餃子晩御飯の時に話していた、
『コナンが毛利家にお世話になり始めた経緯』
の話を彼女は思い出していた。
家に着くと、着ていた着物を解いて、部屋着用のワンピースに着替える。
デスクに座りパソコンを開いた。
動画サイトにアクセスし検索コードを入力する。
そこには『東の高校生探偵』が事件を解いている様子が、動画に幾つかアップされていた。
推理している所が映ってる動画を、目につく限り再生する。
椛(ふーん…。
やっぱり推理の組み立て方も、話してる時の癖も全部一緒。)
先程スマホで隠し撮りした、小五郎の代わりに事件の真相を話しているコナンの様子を、再生しながら見比べる。
椛(17歳から7歳かぁ。
10歳も若返るなんて…
どんな方法を使ったのか分からないけど…
身体が10歳若返ったら私は20代か。
不謹慎だけども…
ちょっとだけ羨ましい…かも?)
その日は、『帰ったら読もう』と意気込んでいた新書もそのままに、暫くパソコンと向き合っていた。