第10章 小さな探偵さん
正面の人だかりを抜けて、カフェレストランの裏側に位置する店舗から、大きく回り込み、人気のない柱の陰から事件の様子を覗き見る。
被害者は若い女性のようだ。
床にまだそのまま倒れている。
椛(まだ若いのに、、、
可哀そうに、、、
何か、そんな人に恨まれるようなことをしたのかな、、、。)
捜査の様子を柱の陰から見てると…
椛(前から思っていたけど、ホント事件現場の中を随分とちょろちょろ動くな~、コナン君は。)
捜査する刑事さんに話しかけながら、時折顎に手を当て考え込む姿は、完全に探偵の姿そのものだ。
小五郎「分かりましたよ警部殿!!
犯人わぁぁぁ~~~zzz」
小五郎の後ろから、コナンが腕時計のカバーを開き、何か「キラッ」としたのもが小五郎の首元に向かって行くのが、彼女がいるこの距離からも見えた。
そのまま小五郎は倒れこむように椅子に座りこむ。
コナンは、その小五郎が座り込む椅子の後ろに隠れる様に回り込み、蝶ネクタイを口元に当て、小五郎の声で事件の真相を話している姿が見える。
一連の流れを見ていた彼女は、何か、『見てはいけないもの』を見てしまった気分だ。
椛(今までの『眠りの小五郎』は本当に眠っていたのか、、、。
それにしても、あんなに一瞬で眠りに落ちる程の麻酔薬、今まで何回も打ってるってことだよね。
小五郎さんの肝臓と腎臓、大丈夫なのかい?
コナン君、、、。)
小五郎の内臓の状態を、心配する彼女であった。