第9章 芝浜離宮恩賜庭園
自分達の事情聴取も終わった為、車に向かおうとすると、後ろから呼び止められる。
老夫「お二方、もし良ければ今度うちに、食事に来てくれないだろうか?」
その声に振り向く安室と椛。
安室「?」
椛「?」
そこには穏やかな顔をした先程の老夫婦の姿見。
先程老婦はしゃがみ込んでいた為、怪我をしたのではと心配だったが、どうやら軽く転んだだけで、特に怪我は無かったようだった。
老婦「是非!
助けていただいた御礼をしたいの。
お忙しいかもしれないけど、二人がお時間ある時で構わないので。」
その言葉に安室と椛は顔を見合わせる。
安室「そんな、大した事してないので。
お二人もご無事で良かったですよ。」
椛「えぇ、そんな気になさらず。」
2人は断るが、老夫婦も中々折れようとしない。
結局断りきれず後日、2人でお宅にお邪魔する事になった。
日時を決め、連絡先を交換し、挨拶をして別れた。
こちらが見えなくなるまで、何度も頭を下げる老夫婦の姿が、なんだかちょっと逆に申し訳なくなる。
そんな後ろ髪引かれる気持ちで、いつものRX-7に乗り込む。
椛「安室さん、時間大丈夫ですか??」
さっきの件で、少々時間を食ってしまったので、時間を気にしている椛。