第9章 芝浜離宮恩賜庭園
飛んできた方に目を向けると、駆けてくる彼女の姿。
安室の所まで走ってくると、
椛「はぁはぁ、安室さん…
本当、毎回足早すぎ…」
安室「椛さん…。
危ないから下がっててください。」
彼女は息を整えながら、持っていた自身の着物バックを漁って、中から着崩れた時用の予備の仮紐を取り出し、安室に差し出す。
安室「ははっw
…椛さんのバックには何でも入ってるんですね♪」
渡された意味を瞬時に理解した安室は、そのまま受け取るとしゃがみ込み、気絶している犯人の手足を拘束した。
犯人の手足を結んでいると、ふと、彼女の足物が目に入る。
その足元は先程までとは違い、足袋姿だ。
犯人が倒れている少し先を見ると、先程まで彼女が履いていた草履が転がっていた。
安室「君は…
何が飛んできたかと思えば…
自分が履いていた草履を、犯人の顔面に投げつけたのか…。」
安室はそう呟くと、犯人の手足を縛り終わってから、犯人の先に転がっている彼女の草履を拾いに行く。