第9章 芝浜離宮恩賜庭園
安室「椛さんがそう言うなら僕も着てみようかな、着物…」
椛「おぉ!!安室さんならきっとよく似合いますよ♪
なんていったって日本の国服ですから!
ねっ♪」
そう力説する彼女の姿を見ていると益々笑みが溢れる。
安室「では、僕が着物を着たら一緒に出掛けてくれますか?」
椛「それはもちろん!
私でよければ♪
着物男子とご一緒出来るなんて光栄ですよ♪」
そう言って顔を見合わせて2人で笑い合う。
椛「そういえば、ちょっと話戻りますが…
今日、安室さんがどんな服着てくるか、私も楽しみにしてました♪」
安室「ほぅ。どんなふうにですか?」
椛「前回の流れで言うと、今日薔薇柄のシャツとか着てくるのかな〜とか♪」
当の安室は今日は黒のパンツにレモンイエローのシャツ。
その上にカジュアルなライトグレーのジャケットを羽織っている。
安室「はははっ!
実はちょっと一瞬考えたのですが…
残念ながら僕の家のクローゼットには、薔薇を連想するような服は無かったです。
あったら着てきたかもしれないですねw」
そう言って軽く冗談を交わす姿は、至って普通の青年にしか見えない。
老婦「あらまぁ、お姉さん。
ずいぶん素敵なお着物、着てらっしゃるわね♪」
座って談笑していると、仲の良さそうな老夫婦が2人の側にやってきて話しかけてきた。