第8章 裏の理事官
椛「はい、29歳ですね。
私の3つ下ですね。」
声をかけられ意識を戻す。
黒田「まぁ~、そうだが、ほぼほぼ同世代みたいなものだろ。
私から見たら2人とも変わらんよ。」
椛「凄い素朴な疑問なんですが。」
黒田「なんだ?」
椛「潜入捜査官って、『潜入しなきゃいけない』から、紛れられるように、いい意味で『地味』な方がされてるのかと思っていたのですが、、、
この方は随分目立ちそうですね。
華やか系男子?と言うか、、、」
黒田「まぁ、そうだが、、、
捜査官にも色々いるからな。」
椛「へぇ~。
…そうなんですね。」
もう一度まじまじと画面に映る人物を見る。
椛(普通に女子高生とかのファンが、付きそうな外見の感じだけど、、、。)
すると黒田は、先程受け取っていた黒い箱を彼女の前に置き、蓋を開ける。
正面にはキッチンタイマーの様な、時間を表示させるであろう画面。
そしてスタートボタンにストップボタンが。
あと分ボタンと秒ボタンが付いている。
椛「これは何の機材でしょう?」
彼女が尋ねると同時に、工具を手渡された。
黒田「先程、車の中で機械の分解が出来ると言っていたな。
是非拝見してみたいので、これを分解してみてくれないか?」
そして使い方と、ルールの説明を受ける。
スタートボタンを押すと同時に始めて、解体が終わったらストップボタンを押してくれとのこと。
この液晶はどうやらストップウォッチの役割を果たすらしい。
また解体の順番が異なると、音が鳴る仕組みらしい。