第44章 G線上のアリア
椛「じゃあ、この腕を取って良いのも、私だけって事にして?」
普段からあまり独占欲を隠そうとしない?
と言うか、隠しきれていない彼と、
独占欲を普段外にほぼ出して来ない彼女。
外に出してこないだけで、椛もその感情を持ち合わせてない訳ではない。
そんな、たまに見せる彼女の独占欲の強さに、求められる喜びと、居心地の良さ…
そして優越感と安心感を感じてしまっている彼。
安室(俺も大概だな…)
椛は安室に腰を抱かれ、腕を絡めながら上目遣いで見上げ、彼からの返答を待っている。
安室(堪らないな…
この状況…)
湧き上がる体の熱を隠して、そっと返答を返す。
安室「腕どころか…
貴方が望むなら…
どんな物でも差し出すよ…」
『分かった』と一言、言ってくれれば良かったのに…
思っていた以上の、大きな受け答えが返ってくる。
そんな事を言ってきた彼の表情は、幸せそうに微笑んでいて、椛は目を奪われる。
思わず釘付けになってしまって、そのままジッと、彼の瞳に吸い寄せられる様に見つめた。
何も言って来ない彼女と、目を離せないでいる。
そんな沈黙に、心地よさを感じてしまう。
安室「……そんな目で見つめ続けられたら…
外食どころでは無くなってしまうよ?」
そのセリフと共に、腰を添えられている安室の手に、力が入るのを椛は感じた。