第8章 裏の理事官
椛「それは、今の伺った話の内での話ですし。
そんな大したことじゃないんじゃ、、、。」
黒田「君がどう思おうが構わない。
もちろん無理強いはしないが、出来れば君に引き受けてもらいたい。」
椛「けど、、、
私に務まるかどうか、、、。」
黒田「可能な範囲でかまわない。
こちらはとにかく情報が少しでも多く欲しい。
潜入してる捜査官の為にも。」
椛「うぅ、、、。」
黒田「『この国の為』なんだ。
どうか力を貸してほしい。」
そう言って軽く頭を下げる黒田。
椛(いやぁ~、、、
最後の言葉はズルいでしょ、、、黒田さん。
凄い口説き文句だな、、、。)
この国に生まれたことを誇りに持ってる人間にとって、『その言葉』には非常に弱い。
椛「黒田さん、、、
頭を上げて下さい、、、。」
そう彼女が言うとゆっくりと頭を上げる黒田。
大柄な恵まれた体格に、大小様々な古傷が見え隠れする顔。
意思が強そうな中に優しさが見える瞳が、真っすぐと自身を見据えている。
椛(参ったなこれは、、、。)