第8章 裏の理事官
椛「数日なら一般の捜査員もあり得るかもしれないけど、話を聞く陰り、その方は『長期』なんですよね?
長期の潜入捜査なら、そもそも公安案件だろうし。
そんな長期で潜入捜査中なら、公安の中でもとりわけ優秀な方なんじゃないですか?
そして、そんな依頼を受ける『一般人』を探してる黒田さんは、その対象の『捜査官』と同レベル以上か、上の方。
先ほど黒田さんは『警視庁捜査一課管理官』と言っていましたが、本来はその『捜査官』の上司の方なんですよね?
そんな『公安のお偉いさんの依頼』に答えられる自信はありませんよw
他にも候補者はきっといらっしゃるのですよね?
お話して頂いたことは嬉しいですが、とてもじゃないけど私に勤まる気しないです。」
そう言った彼女はまるで『お手上げ』とでも言う様に肩をすくめジャスチャーをしている。
黒田(これは、、、
想像以上だな、、、。)
黒田「もちろん、候補者は何人かいるが、私は君に頼みたいし、君が一番適任だと確信している。
現に長くこの業界にいて、私を『公安』だと短時間で見破ったのは、、、
一般人の中では君が初めてだよ。」
そう言って話す内容とは裏腹に、薄っすらと笑顔を浮かべていた。