第8章 裏の理事官
黒田「今、ある案件で潜入捜査中の警察官、その『人物』の監視を依頼できる『一般人』を探している。」
椛「監視ですか?」
黒田「あぁ。
監視と言っても一日中へばりついてるわけでは無い。
あくまで自然な形で社会に、その『人物』の『生活圏』に溶け込めるような感じだ。」
椛「それって、探偵さんとかには頼めないのですか?」
黒田「監視と言っても数日の話ではないし、数ヶ月以上になるような話だ。
それにその『監視対象の人物』は優秀なんでな。
探偵では調べれば肩書ですぐ割れるからな。
ものの1日持たず正体がバレるだろう。」
椛「そうですか、、、
そもそもなぜ私にその話を?
私にはそのようなツテは持って無いですが、、、。」
黒田「君にそれを頼みたい。」
椛「私ですか…?」
黒田「そうだ。」
椛「正直、何故黒田さんが、私に話をしたのか全く理解できません。
そもそも、その潜入捜査中の『人物』って『公安』の方なんじゃないですか?
そんなエリートの監視なんて勤まる気が全くしないし、イメージもつきませんよ。」
『無理無理』といった具合に手を左右に振り黒田に向けて苦笑する。
だが黒田は興味深そうな目を向けて、
黒田「ほう…。
何故そう思ったんだね。」
黒田は一瞬目を光らせた。