第43章 裏切りの擬装
男「クッソ!!
何で当たらねえんだよっ!」
イラついて気が散漫とし、
そして、擦りもしないナイフを振り回し続けて、流石に疲れて来たのか…
男の身体が一瞬ふらつく。
その隙に、椛は一気に体勢を低くして、男の視線から消えると後ろに回り込む。
身体を捻ると、空気を斬るような音と共に遠心力を使い、
男の背中を思い切り蹴り飛ばした。
男「あぐっうぅっっっ!?」
男は椛の蹴りをもろにくらい、海老反りになって弾き飛ばされる。
そのまま倒れ込む様に、道路に突っ伏した。
そしてその反動で、手からナイフも離れる。
椛は男が動かなくなった様子を確認して、老女に目を向けると…
椛「御婦人!
今のうちに離れましょ!!」
再び老女の手を取ると、男から離れようと足を踏み出すが…
男「っ…
クッソ……
このアマぁ!!
ふざけやがって!!」
椛(伸びてなかったか…
体頑丈だな、あの男…)
また襲ってくると思い、それに備えるように男を見据え、構える。
男はゆっくりと起き上がると、再び椛に向かって切りつけようと、手から離れたナイフに手を伸ばすが…
手に取る瞬間に、男の背後に影がかかる。
椛(あっ…)
男は『なんだ?』と影の元を辿るように顔を上げると、逆光で顔がハッキリとは見えないが…
何かの構えをしている別の女性の姿が、視界に入る。