第43章 裏切りの擬装
椛「黒田さん…
うふふふっ…
そんなに面白かったですか?w」
黒田「いや、俺の目に狂いはなかったなと思ってな…
本当君は良い根性してるよ…
ハハハハハハ!」
2人で使うには広すぎる練習場に、2人の笑い声が響いていた。
今日のお礼の挨拶をして別れると、更衣室に入り練習着から普段着に着替えて、警察庁を後にする。
この後、今日は講座の予定があったが、先方の体調不良で急遽スライドした為、真っ直ぐ家に帰ろうと駅に向かって歩く。
黒田の訓練で汗をかき、集中力を沢山使った後だからだろうか。
いつも建屋を出ると、とても晴れやかな気分になる。
椛(姿勢もだいぶ整って来たし、体脂肪も落ちて来たし、良い感じだな〜♪
射撃の練習も楽しいけど、やっぱり…定期的な運動は健康のためにも大事なんだな。)
足取り軽く、ご機嫌で駅に向かって歩いていると、何だか前方が急に騒がしくなる。
『なんだ?』と目を凝らしていると…
女「通り魔よ!皆逃げて!!」
叫び声を上げながら刃物を振りかざしている男が、周りの人間を切り付けながら、暴れ回っている。
怪我を負わされた人達が、散り散りに逃げ惑っている。
人の手を借りて場を離れようとしている者。
既に刺されて、動けず倒れている者。
倒れた人の側には、道路に血が滲んでいる様子が見て取れる。
急いで電話をかけている者もいるので、誰かが通報はしているだろう。