第42章 ポアロのギタリスト
降谷は、椛の肩に額を寄せるようにして
ほんの短く、けれど深い呼吸を落とす。
その息が、耳の後ろの敏感なところをくすぐるように触れる。
椛「……零?」
降谷「椛…」
なんて愛おしそうに名前を呼ぶのだろう。
そんな事を思いながら彼の腕をずっと撫ぜる。
椛「……そんな言い方されたら……」
そこまで言ったところで、降谷の指先が腰のあたりにゆっくり滑った。
服の上から、触れているだけだが…
ただそれだけなのに、優しい手つきに体が敏感に反応し始めて.呼吸を忘れそうになる。
降谷「……はぁ…落ち着く…
このまま今夜はもう…
離したく無い。」
耳元に落とされたその言葉で、部屋の空気が一気に“夜の色”へと染まった。
お互いの鼓動が伝わる距離。
二人の体温と鼓動が、はっきりと混ざりはじめる瞬間だった。
顔を上げると2人の目が合う。
視線と視線が重なり合った瞬間…
獰猛さをまとわり始めた彼のまなざしの熱さに、否が応でも身体が疼き始めてその先を期待し、目が離せない。
お互いの息の温度を感じる。
降谷「……そんな顔されたら、キスせずにはいられないだろ…」
低く、押し殺した様な声が空気を伝って脳に響く。