第7章 緋色の友情
沖矢を見送った椛は自宅の玄関扉を開ける。
椛(今日は随分と良いディナーをご馳走になってしまったな。)
今日2人で選んだレストランは鉄板焼きのお店でとても美味しかったし、楽しかったし、夜景も美しかったし、お腹も心ももちろん大満足!!
だが、連日の仕事で流石に正直若干お疲れモードだ。
家に着いた途端に激しい睡魔が襲ってくる。
けどその前に一本電話をかけたい。
鞄からスマホを取り出すといつもより長めにコールを鳴らす。
椛「夜分遅くにすみません、結城です。」
電話先の男「いや、構わんよ。何かあったか?」
椛「15分程前に彼を見かけたんですけど、、、」
先ほど彼と一緒にいた女性の特徴を説明する。
電話先の男「直接接触したのか?」
椛「いえ、彼の車に同乗していた所を見かけただけです。」
電話先の男「その女性とは出来れば関わるな。
バーボンと組織の方で良く一緒に動いてる幹部だ。」
椛「分かりました。気を付けます。
夜分に失礼しました。
また明後日よろしくお願いします。」
電話先の男「あぁ、よろしく頼む。」
ガチャリ
電話が切れるとそのままバスルームに行き、シャワーを浴びる。
本当は湯船にも浸かりたいが、明日も仕事の為、今日は1分1秒でももう早く寝たい。
寝る準備を最短ルートで済ませ、ベットに入る。
先ほど見かけた2人のビジュアルが目に浮かぶ。
何というか…
見ていてあまり気分の良いものではなかった。
湧き上がる感情に蓋をして目をつぶる。
体は正直で休息を欲していたのか、そのまま彼女は静かに眠りについた。