第7章 緋色の友情
その頃、赤い車の車内では今夜のディナーの感想を言い合いながら、帰途についていた沖矢と椛。
対向車線の前方から、この短期間でもはや見慣れてしまった白いRX-7が走行してくる姿が目に映る。
赤信号でお互い一時停車するが、この距離、この暗がりでも彼のミルクティー色の髪色は良く目立つ。
隣には長いブロンド髪の、遠目でも美しい女性と分かるような雰囲気を纏う女性の姿。
椛(あの女性がCHANELno.5さんかな。
この時間に2人でいるって事は、やっぱり組織の女(ヒト)だったのか。)
何も気づかないふりをして会話を続ける彼女。
一方
沖矢(、、、バーボンとベルモット
、、、最近はこの辺りで組織の方が何かやはり動いているのか、、、。)
引き続き会話をしているが、先ほど一瞬間があったような隣の彼女の様子が気になる。
沖矢「椛さんは今のすれ違った白い車、何か気になった事でもあったのですか?」
話の腰を折り、気になった旨を彼女に伝える。
椛「あぁ、えぇ。
運転してたの、最近知り合ったポアロのお兄さんでしたので。」
沖矢「隣の女性は?
ご存じなんですか?」
椛「いえ、初見です。」
沖矢(ベルモットの方は認識していないのか...。)
沖矢「、、、あの二人にはあまり容易に近づかないでください。」
椛「昴さんはあの二人と面識があるのですか?」
沖矢「今ここでは話せないです。」
椛(『赤井秀一』は彼の事、組織の人間として認識してるのか。
それに2人の関係を理解してる…?
という事はあの女性は組織の人間でほぼ確定って事かな…。)