第40章 立夏の約束事
ベルモット「それ以上喋ると、フロントガラスに貴方の脳ミソをぶちまけるわよ!」
なんと不穏な言葉の羅列だろう。
運転中の彼の頭を飛ばしたら、なんとも阿鼻叫喚な車内になってしまいそうだが…
銃口を当てられても、至って冷静な彼は静かに言い返す。
バーボン「それは止めた方がいい…
後始末が大変ですから…」
ベルモット「問題ないわ…
これ、わたしの車じゃないし…」
バーボン「僕の脳の事じゃない…
前に言いましたよね?
僕の消息が絶たれた場合…
あなたの秘密は組織内に、リークされる手筈になっていると…」
その言葉を聞いて、ベルモットは心底鬱陶しそうに息を吐くと、銃口を彼から離して拳銃をしまう。
ベルモット「ああ…
そうだったわね…」
バーボン「ご心配なく…
あなたの秘密は厳重に保管してありますから…
抜かりはありませんよ…」
ベルモット「抜かりないって…
貴方に取り付けた盗聴器で聞いていたけど…
貴方、FBIの連中に喧嘩ふっかけてかなり疑われてなかった?」
バーボン「いくら疑われても証拠がない限り僕には手を出せない…
想定内の事ですよ…」
バーボン(あの時唯一…
想定外だったのは…
『敵だよね?悪い奴らの…』 )
耳打ちされたコナンからの言葉が、脳裏に蘇る。
バーボン(本当に困った坊やだ…)
前方を見据えながら薄ら苦笑するが、隣に座るベルモットからの話は続く。