第40章 立夏の約束事
呉服屋に到着すると、予約をしている椛が先に店内に入る。
すると、すぐに気づいて駆け寄ってきたスタッフに声をかけた。
椛「鈴木さん、こんにちは♪」
鈴木「結城様!
こんにちは♪
お待ちしておりましたよ。
どうぞこちらへ。」
椛「ありがとうございます。
お元気そうです何よりです♪」
お店の入り口を抜けると、奥のテーブル席に通される。
座席に座るように即されると、そのまま安室と2人で素直に席につく。
お茶の用意に向かった鈴木と入れ替わるように、店主があいさつに来た。
石垣「結城様、ようこそお越しくださいました。」
椛「石垣さん、ありがとうございます。ご無沙汰してます。」
石垣「いつもおひとりでいらっしゃいますのに…
今日は素敵なお連れ様とお越しですね。」
安室の方に視線を向け、軽く会釈をする店主。
椛「すみません、何も言わすに一人増えてしまって。」
石垣「いえいえ、こちらは全く構いませんよ。」
安室「こんにちは、初めまして。
安室透と申します。
急にすみません。」
石垣「安室様、初めまして。
石垣と申します。
こちらこそ、お越し下さりありがとうございます。
よろしくお願い致します。」
挨拶を交わす2人を隣で微笑ましく見守る椛。
鈴木「素敵なご主人じゃないですか~!
本当によかったわ。」
お茶を入れ終わったのか、盆に茶器と湯呑みを乗せ、鈴木が戻ってくると話に入ってくる。